伏線、ちゃんと回収してよ^^:
『Monster』と言うマンガの中に、サブキャラの一人である、年配のお医者さんが出てくる。
そして、彼が雇っている事務員(名前忘れたので仮にウッカリーナさん、としますよ。外国の話だから)の女性がいつも給湯室のドア(外階段へと繋がっている)の鍵を閉め忘れている、という設定がある。
それはほんのワンシーンなのだが。
彼が言う。
『おいおい、ウッカリーナさんよ、あんた昨日、またココの鍵、掛け忘れて帰っちゃっただろ。頼むからちゃんと掛けといてくれよ。』と。
ちょっと鈍臭いような、それでいてグラマーで(死語)若いその事務員は、そこで『はぁい~♪』との生返事。
『やれやれ・・ウッカリーナには困ったもんだ・・』と、ため息をつく。
そんな何気ない平和そうな日常のシーンが描かれる。
しかし、その後。
事務所を訪ねたふりをして実はヒットマンだった男達に彼は狙われる。
敵もいきなり襲ってこない。機会を伺っているのだ。さりげない世間話なんぞして。
彼はそれにすぐに気がつくのだが、さりげなさを装っている。
『そうだ、美味いコーヒーがあるんです。如何ですかな。』とか何とか言ってゆったりと給湯室に向かう。
でっ! 何やらな彼の不穏な動きに気がついたヒットマンが突如襲ってくる!
そこですぐさま彼は給湯室のドアに突進するのだ。
(ウッカリーナよ頼む!また鍵をうっかり掛けるのを忘れていてくれ!!)と願いながら。
・・・ええと(;;;゜ω゜;;A) こうして繋げて書くと大したこともない感じではありますが・・^^;
[鍵をかけといてくれよ]・・と、[頼む!掛け忘れていてくれ!]との間はかなり時間が経っている。(ページが進んでいる)
だから読者は、[ウッカリーナの、鍵を掛け忘れるくせ]のことなんざ、他の重要なエピソードが満載なあまり、とっくに忘れている頃なのだ。
なので。
そこでニヤリとなる。 あぁ、なるほど、あの会話はコレに繋がるのか、と。
まあ、それはマンガなのだが。
小説でも、こんな風に伏線がいっぱいあって、んで、後で綺麗にそれが回収されているものが好きである。
なるほど!っと膝をうつようなもんが。
しかし一方で、謎が謎のままで終わるものも好きだったりする。
死んだんだか死んでないのか、できたんだか(デキタって、男女のことですが)できなかったんだか。
そんな曖昧模糊とした状態のままでも余韻がよければそれで満足したりする。 それをひっくるめてのその小説の持ち味を味わう。
そこでっ!
この度の村上氏の新著である。
ホントは感想書くのやめようと思っていたのだけど^^;
doconokoさんのブログを拝見していたら、思うところあり、で書いてしまいましたですよ^^;
『感想文になっているような、いないような』
http://doconoko.hateblo.jp/entry/2013/05/27/111520
doconokoさんはその作家が好き、という前提で書かれているので、ちょっと違うスタンスなんですが・・
ええと、戻りまして、その小説。
伏線、回収しなさ過ぎ!・・・なのだ^^;
いや。伏線ですら無かった?
いろんな謎が散りばめられているのだけど、最後までそれがどうなったか明かされていないのだ。謎もそうだけど、人も。
ええと・・あの人、どうしちゃったんすか??アレはどうなったの??(;;;゜ω゜;;A)みたいな。
それは勿論、著者がそうしたんだけど、何つーか、その小説の主人公が、それはよしとしたから、という気がする。
そんなことは僕(主人公)はもういいんです、と。
へんな話だけど、主人公がよしとしているので、著者も書かなかった、というような。。
そんな曖昧さ、解決の無さもひっくるめての世界なのだろう。
でもなぁ・・・。
『僕』はよくても読んでる私はよくないんだよ~^^;
と思った。
続編があるのか。
それとも私の読解力の無さなのか。
もしかしたら、オモテに出ていない行間で、それらの謎は解決していることになっているのか。 判る人は判るのか。
ファンは言うであろうな^^;
アンタに村上ワールドの何が判るのか、と。
実際、私、村上氏の本はソレと、前に出たシリーズしか読んでませんで。
だから、ああだこうだと語る資格はないのだけども。
しかし敢えて部外者の私個人の感想として言ってしまうが。。
村上本が出る度に嬉々として我先に買っている人たちは、ホントに内容が判って全部納得して飲み込めているんすか??・・と。
何か、流行りだから、と、トレンドの風に乗って村上本を片手に歩く俺、みたいな風になってないか?・・と。
私は判らん、とはっきり言ってしまいますよ^^;
判らんことでもそれが快感な小説もあるが、この判らなさは私は好きくないな・・と思った次第で。
また、著者も俺のファンなら言わんとしていることが判るだろ?・・としているような気がして。
伏線の回収は君たちに任せるから、とでもしているような。
それが伏線なのかどうかすら判らんけど。
著者個人の人となりを全く存じ上げないのでどうこう言えないし、ご本人はトレンドとか国民的作家などと言われることに対して快く思っていないのかも知れず。
でも。
doconokoさんやジンジンタロウさんも書かれていたように、つまりあまりにも棲む土台の違いがありすぎて(セレブとかトレンド作家という土台)たとえ貧乏人の話を書かれたとしても、うーん・・金持ちが高い服着て難民キャンプを訪れる、というような、感じか。
そんな風に思えてしまう。
それに何より、主人公の男子が皆(皆って今まで読んだ2冊しか知らないけど)優しくて思慮深いのではあるが、何つーか、、女に節操が無い(笑)
怒られるかもだけど^^;
いろんな感情と綺麗な描写、雰囲気、尤もらしい理屈でもって、イヤラシイ感じではなく、どうかすると女性の読者を、納得させてウットリさせるようなやり方でもって(著者が)小説の中の主人公にいろんな女性と関係を持たせる、という印象(笑)
綺麗に綺麗にもっていこうとしている、というような。
実際にそんなまどろっこしい男が嫌いだからかな。
それが何かイヤ^^;
もしかしたらそれが嫌いな全てかも。